FNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFN

           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

================================================================

    ★第065号       ’00−10−27★

================================================================

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

     英語も技法

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

●登校を拒否したり

しなければ、誰でも中学で3年間学ぶ。  <英語>は特別な経験

ではありません。  今は高校アタリマエ。  となれば、6年も!

 

6年付き合って、どうにもならない、身に着かない、としたら、、?

ほかの技能に置き換えて考えれば分かりますね。  見込みなし。

 

よほどそれへの適性が無いか、取り組みが不真面目だったか、それ

の必要性を感じていないか、、 でしょうな。  英語も同じこと。

 

学生としてのあなた、英語、どうでした?   職業人としては?

かなりお使いになれるんでしょ?  まあ、それはそれとして質問。

 

 

今あなたが<メシのタネ>になさっている技能、それがともかくも

メシにつながるまでに、6年もかかりましたか?

 

医者や弁護士、あるいは伝統技能の世界は別として、普通そんなに

はかからない、いや、かけない。  <6年>は十分な長さです。

 

では、次。  中学、高校での時間中、あなたは英語を<それで

メシを食うことになる技法>だと思いましたか?  答はイイエ

でしょうね。  要するに、試験で点を取ることが目的の勉強、、

 

だから、学校を出るや否や、見向きもしない、使わない。

手入れしなければ道具は錆び付くし、そのうちなくしてしまう、、

 

そこがちょっと違っていたかも知れませんな、私の場合は。

メシのタネにまではしなかったけれど、結構活用しました。

 

以下、英語も技法、使えばそれなりに役立つ、というお話。

 

*   *

 

何とか<下請け>から抜け出そうとあがいていた頃のことでした。

我々の重要顧客の一つN社が、大手家電T社のOEMで、GEの

電気毛布を国産化することになりました。  

 

そのメーカーで技術を担当していたのはSさん、と言っても実は

二人いた。  同部署に同姓者、たまにはあること。  我々は

識別のため、大きいSさん、小さいSさん、と呼びました。

 

<大>は取りあえず体のサイズでしたが、キャパも大きかった。

彼がその計画の柱でした。  我らが頼りの<大S>さん、、

 

それが悲しいことに、北海道出張の帰途を急いだ彼が敢えて席を

譲り受けて乗ったボーイング727、何と東京湾に墜落して生存

者はゼロ。  昭和37年だったか、38年だったか、、、

 

残された小Sさん、シンミリ大Sさんを悼む余裕なし、大弱り。

まず二人分働かなくちゃならない上、GEの図面類が(当然!)

すべて英語、、  彼は横文字がまるでダメだったのです。

 

生産開始は目前、パニック!  小さな鍋、たちまち沸騰です。

 

義を見てせざるは勇なき、、 で、生来「おたすけマン」の私、

英語を日本語に、インチをミリに。  仕様類だけでなく図面

も引き直し、一式整えて差し上げました。  もちろん無料、

 

ただ、我が守備範囲の部品の図面に、チャッカリ<指定発注先>

としておきましたが、そのくらいエンマ様もお許し下さるはず。

 

幸い<T>電気毛布は大ヒット。  その生産や品質にトラブル

が無かったのは、我が<翻訳>の正しさの証明、、 でしょう。

 

*   *   *

 

そうこうするうち、ある日、小Sさんのデスク脇に山と積まれた

アチラの業界誌に気づきました。  N社の社長はM物産出身、

何でも研究して輸入元になろう、という意欲の人。  ドンドン

資料を集め、読め読めと言われる、、 またしても困り顔の彼。

 

それなら、と引き受けて持ち帰り、彼に必要そうなところを抜粋、

抄訳でフィードバックして差し上げ、代わりに不要となった雑誌

は頂戴するという Give and Take.   そのついでに、アチラの

サーモスタット事情も読み取れた。  いずれコチラもそうなる!

 

やがて昭和39年。 東京オリンピックをキッカケに海外旅行が

自由化されました。  よーし、一回りしてみるか!  そこで、

 

その雑誌に広告を出していた部品メーカーに、次々手紙を送って

みました。  御社製品に興味あり。 日本市場に興味ありや?

とりあえず訪問したいが、来たる9月○日、ご都合はいかが?

 

今その写しを読むと、文部省的貧困英語教育の実物見本みたい、

恥ずかしさで身がヨジレル感じです。  が、読んではもらえ

たし、分かってくれたし、返事もくれました。  来いよ、と。

 

我が国の文化との違いを痛切に感じました。  <日本人>が

ろくに返事しないこと、それまでに散々経験していましたから。

見ず知らずの私に返事をくれる人たち、、 こりゃ何か違うわ。

 

*   *   *   *

 

そして予定通り9月、弟子一人を伴って45日間の旅に出た、、、

と言っても、それまでが大変。

 

何しろパック旅行なんて無い時代、まして中西部の奥を転々と

する日程。  どう回るか、どう乗り継ぐか、プランはすべて

Do It Yourself。  未だ<旅行会社>であったアメリカン・

エキスプレスを訪れ、飛行機やバスの時間表、ホテルのディレ

クトリーなど、何冊も積み上げて辞書片手に首っ引き、、

 

完成したリストを手渡して、航空券やホテルの予約を頼んだら、

担当者に言われましたよ。「この通りに回れる、と思っている

んですか?」  え? 回れないの?  「アメリカは広い。

飛ばない、走らない、泊めない、色々あるんだから、、」

 

結論から言えば、全て予定通りにこなすことが出来たのですが、

思い返せば無知なるがゆえの怖さ知らず。  しかし、ツキが

あったのですね。  オハイオのT社との縁もこの時以来。

 

*   *   *   *   *

 

出る前にホテルや空港でのやり取りを集めたテープ教材で練習

しただけの限定的会話力でしたが、行くべきところには行き、

会うべき人には会い、伝えるべきことは伝え、用は足しました。

 

だから帰ってすぐ、アメリカン・エキスプレスに言ってやった。

「知りたいことがあったら訊いてくれ。 ただで教えるぜ」

 

それにしても文部省の英語、何とか役には立ちましたよ。

 

***************

 

 

 

●ビジネス英語として

 

少しは磨きがかかったのは、以後アチラから来るようになった

レターを<生きた教材>としたからです。  ナールホド、

こう言えば良いのか、、  学校英語とはだいぶ違うな、、

 

テレックスも設置しました。  夜、退社前に送信しておくと、

朝には返事が来ている。  今のeメールと同じです。 いや、

大いに違うところもあった。  送信コスト。  国際電話が

たしか毎分3千円。  町工場にはキツイ負担でした。  で、

 

どんな用件も1分間に押し込む、というドケチ方針。 しかも

テレックスは、目指す相手に接続したことを確認するアンサー

バック・コードというのが前後に入ります。 そのため本文に

使える時間は正味約45秒間。  <短縮文型の研究>開始!

 

主語を省き、分詞構文を使い、略語を発明し、、 一種の知的

ゲームにしてしまいました。  それが通じ、期待通りの応答

に接する嬉しさ。  こちらの造語を相手も使ってくれたり、、

 

製造的なアイデアを送信したら、見事的中。  一気に良品率

が向上した、THANKS FOR THE TIP. と入って来た時のスリル。

翌秋、二度目のT社訪問では、もう人気者になっていましたよ。

 

速さと確かさ。  彼らと波長を合わせるには必須です。

 

 

対照的、と言うべく、ビックリ、ガッカリの経験。  それは

アチラを歩き回る間に立ち寄った日本の銀行や商社の支店での

こと。  彼らもテレックスを使っていたことは同じでしたが、

 

何だかオカシイ、<読めない英語>。  目を凝らしたら、、

え?ローマ字じゃありませんか! DOUKA YOROSHIKU ONEGAI

MOUSHIAGEMASU. 全く冗談じゃない。 これで米国駐在?!

 

ゼンリャクだのナニナニノケンだのイツモオセワサマデスだの。

文字数の割に中身は乏しい。  それでもプロなのかい、君ら?

 

eメールの今は、日本語そのままで読みやすくなってはいるの

でしょうが、ご挨拶は減ってはいまい。 巧言令色の我が伝統、、

 

*   *

 

第57号で告白した通り、英検1級の免状は取りませんでした

が、実は<それ以上>のをもらっていたので<それ以下>のを

取る気にならなかった、、  と言うのは、

 

前記小S氏から借りて読み始めたアチラ家電業界専門誌、結局

自腹で定期購読を申し込み、先進的傾向の研究資料としていた

のですが、、  イイモノミーツケタ!

 

コチラには無いハイブリッド材が、アチラにはあった!

 

テレックスやレターの交換で資料、サンプル、見積書、と進み、

互いに見知らぬ同士のまま商談成立。  やがて商品が航空便

で届き、net 30days で送金して一件落着、、 おお、簡単!

 

同業U氏も何かで知り、その材料の入手を試みたが、商社経由

で輸入しようとしたのが運の尽き、通産省は貴金属<材料>に

厳しく、許されなかった由。  私は直接、かつ<部品>輸入。

 

だからうまく行ったのかも知れないが、、 その年末、Xマス・

カードを添え、相手の厚意にに礼を述べたところ、返事に曰く、

「お前が何者だろうと、アメリカでのビジネス経験が永い奴で

あることは間違いないから、何も心配はしなかった」ですとさ。

 

もちろん買いかぶりですが私には光栄、いわば<波長の一致>

の証明。  この手紙こそ、私の大切な<お免状>なのです。

 

*   *   *

 

<誰でも学校で習う英語>が、QCの<七つ道具><新・七つ

道具>、あるいは Rational Process などと同様、現実の仕事

に役立つ技法であることは、まあ、こんな具合。

 

まず、知らなくちゃ。  次に、知っていても、使わなくちゃ。

使うにも、それが好きで、楽しんで、でなくちゃ、、「これを

知る者は、これを好む者に如かず。 これを好む者は、これを

楽しむ者に如かず」と孔子様もおっしゃった。  私は英語を

 

***************

 

 

 

●楽しんで用い、たいへん得をした

 

と思います。  その気で使えば、誰でも得することが出来る。

まさに技法の功徳、ですな。  そして歴史は繰り返す、、

 

 

1世代後、某メーカー勤務の我が長男、製造移管先の中国メー

カー担当となり、図らずも英語を駆使せねばならぬ羽目に。

 

ある日、「英作文、見て欲しい、、」。  コレスポンデンス

の添削を(この私が!)することになるとは思わなかったが、、

 

一読してたちまち、そこにかつての自分を発見。  直訳的!

 

なあ、お前さんがマジメに綴ったことは認めるよ。  だがね、

これじゃ相手さん、気分悪いんじゃないかな。  たとえば、

 

「来週初め、<私が>図面を送る。  御社からのサンプルを

<技術部>が検討し、その上で、、」  間違いは無いのだが、

 

ついでに YOU-attitude も無いんだよ。  だから印象として、

オレが、コッチが、、  相手には<高圧的>に響くかも、よ。

 

一方、相手が気にする肝心の期日は<来週初め>であいまいだ。

いっそ<9月25日 月曜>とか、ハッキリ示して上げにゃあ、、

 

*   *

 

相手あってのビジネス。  相手本位の書き方にして、雰囲気

を良くするのがマナーさ。  別にカネがかかるわけじゃない。

 

いずれ経験を重ねれば分かるだろうが、その間ずっと、相手に

<誤解>されるなんてのは、お前さんの WANT じゃあるまい?

 

一度教えれば済むことなのに、<文部省>は教えないからね、、

その結果、マジメな、しかしジコチュウの英語でこの半世紀、

日本人は知らずにゴーマンを演じて、嫌われて来たのかも、、、

 

*   *   *

 

しかし言葉は脳の働き。  考え方を正せばそれも防げます。

相手側の観点、というものを常に意識するような考え方です。

 

そうすべきだ、とは誰でも言う。  が、現実には忘れがち。

だから、、

 

で結局、 Rational Process に来るんですな、話は。

 

*   *   *   *

 

どの思考パターンにも、<相手側>が必ず仕込んであります。

だから、その手順に沿って行くだけで自動的に YOU-attitude

になる、、  だから、今回のCMは

 

Rational Process はビジネス・コレスポンデンスのツール!

 

我が息子が相手さんから<免状>を獲得するのは、そう遠い先

じゃなかろう。  試行錯誤するほかなかった私は、ちょっと

時間がかかりましたが、ね、、

 

                       ■竹島元一■

============================================================

FNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFN

                       ■ホームページへ戻る